#オーバー60のファッショニスタ

ここのところ60歳以上のシニアファッショニスタの活躍がめざましい。

ブランドのキャンペーンモデルや雑誌、ストリートでカメラを向けられることも珍しい光景じゃなかったり、インスタグラムなどSNSで発信しているおしゃれなシニアを見かけることが多くなりました。


2015年に公開されたドキュメンタリー映画『アドバンスト・スタイル』では、オーバー60の女性たちを撮り続けるフォトグラファー、アリ・セス・コーエンが7人のマダムたちを4年間にわたって密着。

ファッション業界のみならず、その刺激的でチャーミングなマダムたちが大きな話題に。


年齢を重ねたからこそ彼女たちの考え方はポジティブで魅力的。

その人生観そのものがファッションにも表情にも映し出されています。


『若く見えるより魅力的に見えたいの』

『この歳になれば自分が良ければいいと思うの。おしゃれは自分のためだもの』

『いつも自転車よ。着ている服を見せびらかせるの』

『自分らしく前に進むしかないわ。そうじゃない人は不幸よ』


そんな言葉がぽんぽん出てきて、老いに対して変に身構えているモヤモヤした部分を気分爽快に撥ねのけてくれる。

ワーオ!



アリのブログやインスタグラムには、老いも美しさもスタイルにしたマダムたちがたくさん。

自信に満ちた彼女たちの写真を見ているだけでも気分がアガる。

アイリス・アプフェルの 「流行は買うことができるけれど、スタイルは自分が有するもの」 という名言そのもの。

そう!オーバー60のファッショニスタと言えば外せないのが94歳のインテリアデザイナー、ニューヨーク在住のアイリス・アプフェル。


大ぶりのアクセサリーを首元手元にじゃらりと着けてカラフルに身を包む、大きな黒ブチ眼鏡のおばあちゃま。

ファッション誌にも度々登場し、昨年2016年に彼女のドキュメンタリー映画『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』が公開されるなど日本でもご存知の方も多いかも。

デザイナーのアレキサンダー・ワンやドリス・ヴァン・ノッテンもファンと公言するアイリスの魅力はなんと言っても個性的なファッション。


オートクチュールからフリーマーケットまで足を伸ばして買い集めたファッションに身を包む彼女からは、確立されたアイリスオリジナルのスタイルと、おしゃれの楽しさが伝染してきて見てるこちらもわくわくします。

華奢な体にボリュームたっぷりアクセサリーを着けて、「モアイズモア、レスはつまらない」と言い放つ。

引き算の常識をあっさり覆して確立させちゃったのが彼女のスタイル。


アイリスは若い頃こう言われたそう。

『あなたは美しくはないしこれからも絶対美しくはならない。

でもそんなことは関係ない。あなたはもっと素晴らしいものを持っている。

それはスタイルだよ』と。

そしてファッショニスタから絶賛されるファッショニスタに。


アイリスはこうも言う。

「時と場所によって着飾りつつ、常に楽しむこと。

ファッションにコントロールされないで。あなたでいることが一番大事。」


年月をかけて磨くセンスというと身構えてしまうかもしれないけど、すぐに取り入れられるテクニックをひとつ。

宝石をあしらった高級ジュエリーを一度ジュエリーボックスに戻して、そのシーズントレンドのアクセサリーをぽんと乗せてみて。

魅力的なマダムたちの装いには、必ずと言っていいくらいアクセサリーが重要なアクセントになっていてしかも攻めのデザインが目立ちます。


カットソーとカーディガンの普段着の胸元にジオメトリックなネックレス。

コットンシャツにデニムパンツ、指元にはアイコンやメッセージのリング。

ゆったりしたワンピースに大ぶりのバングルを重ね付け。


手頃に買える"遊び"のアクセサリーでいい。

さらりと取り入れちゃうその身軽さ、柔軟さを持ち続けるのも彼女たちの共通点。



「若々しい」という褒め言葉は、若い人のファッションをなぞるだけの中身のないスタイルにではなく、その時代を、年齢を活き活きと楽しんでいる女性に捧げられるもの。

歳を重ねて変わっていく自分を受け入れて、自分に似合うもの、良く見せれるものを周りに流されずチョイスするセンスを磨くことが“オーバー60のファッショニスタ”へ続くのかも。


アリ・セス・コーエンのブログ http://www.advanced.style/

インスタグラム @advancedstyle




by mode A dept.

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